パートナーシップを強固に飛躍狙う

ユーチューブ日本版事業説明会開催

2007年08月21日(火)

[ 49 号]

 8月2日、グーグルが開催したユーチューブ日本版事業説明会には、ユーチューブと契約した日本のパートナー企業が集い、今後の事業展開が発表された。

 ユーチューブは、すでに欧州では、BCC、CBSといった大手テレビネット企業、ソニーBMGなどのレコード会社やサンダンス、トイザラスなどのニッチのトップ企業ともパートナー契約を結んでいる。ここ数年で、日本は米国に次ぐ大きな市場に急成長したが、日本企業とのパートナーシップ展開が今後の躍進のカギを握る。

著作権保護について質問に答えるグーグルのデービット・ユン氏

著作権保護について質問に答えるグーグルのデービット・ユン氏

 会見で米グーグル・コンテンツ担当副社長デービッド・ユン氏は、パートナー企業との展開について、
「ユーチューブは、印刷技術以来のメディア革命。ユーチューブは、コンテンツを配信する強力なフォームですが、独占権を求めている訳ではない。パートナーの利益を意識しながらビジネスを展開していきたい」と述べた。

JASRACと交渉中。グーグル日本法人社長村上憲郎氏

JASRACと交渉中。グーグル日本法人社長村上憲郎氏

 スカパー執行役専務の田中晃氏は、「ユーチューブのこの流れはせき止められない。いわば、ふところに入って違法コンテンツを防衛するようなもの」とし、パートナーとなったことで、より迅速に違法コンテンツの削除ができることを強調した。スカパーは、ユーチューブにパートナーページを設けPRのためのショートムービーを公開している。
ユーチューブのポジティブな部分を
 放送局で一番手にパートナーに名乗り出たのはTOKYO MX。取締役技術局長兼総合デジタル局の田沼純氏は、「他局はネガティブな部分を気にしているが、我々はポジティブな部分を見て地上波としては初のパートナーになった」と述べた。

 タレントマネージメントの吉本興業は、吉本興業チャンネルとZZZ.tvのチャンネルをユーチューブに開設。執行役員 経営・財務戦略室長 中多広志氏は、人気お笑いタレントのコンテンツを例にあげ、ビジネスチャンスの期待を語った。

 「ムーディー勝山のダウンロード売上が月間1億8000万円。新しいメディアで新しい才能やタレントが出てくる」

 会員数1000万人を突破したミクシィは、日記にユーチューブの動画が貼り付けできる新サービスをリリース。サービス企画部 マネージャ 有野寛一氏は「ミクシィの日記は1日110万件投稿され、ユーチューブの動画は日記の約1%ドメインが明記されている」とミクシィ内での人気の高さに触れた。

 カシオ計算機は、日本にさきがけユーチューブモード付きデジタルカメラをすでに二モデル発表。ユーチューブモード設定にすると、アップロードに最適な大きさと画質で簡単に記録できる。ユーチューブモード搭載カメラの日本発売をめざす。

ユーチューブ・パートナー企業は今後も増えるか

ユーチューブ・パートナー企業は今後も増えるか

 今後の違法コンテンツへの具体策やJASRACとの話し合いについて、グーグル日本法人 代表取締役社長の村上憲郎氏は、「JASRACなど23団体と協議を続けているが、完全な合意までは至っていない。しかし、少なくとも進捗しているということは理解していただいている」と回答。デービッド・ユン氏は、「違法なコンテンツがサイト上にあることは望まない。ユーザーは、権利を有しているコンテンツだけをアップロードするよう表明している。権利保有者がユーチューブにある自分のコンテンツを特定し、削除を請求するための電子的な通路を提供し、『フィンガープリント』というコンテンツの特徴を識別する技術を秋には開始したい」と述べた。しかし、コンテンツオーナーの中には、これだけでは不満だという意見もある。著作権保護のテクノロジー開発と投稿するユーザーとのいたちごっこを回避するには、コンテンツオーナーとの協力体制も必要だ。ユーチューブはまだまだ著作権保護の海を渡り始めたばかりだ。
( 植田鉄也 )

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