モバイルサービスの経済波及効果 2010年 2.4兆円に

2007年09月19日(水)

[ 53 号]

 ICR(株式会社情報通信総合研究所)は、「携帯電話サービス普及による日本経済への波及効果」に関する調査研究結果を発表した。それによると、モバイルコンテンツ・モバイルコマース・モバイル広告の経済波及効果は、2010年に2006年の4倍の2.4兆円に成長すると見込まれる。

モバイル上位レイヤの経済波及効果の推移

モバイル上位レイヤの経済波及効果の推移


 3G以降の高度インフラ整備や、ネットワークの高速大容量化にともない、モバイルコンテンツの市場は拡大し様々なサービスが普及、モバイルコマースやモバイル広告なども更なる発展が予想される。同調査研究は、こうした状況を背景に、モバイル市場が日本の経済にもたらす効果を推定している。

 同調査研究に示された経済波及効果の推移では、特にモバイルコマースは、2006年は2378億円だが、2010年には1兆4870億円と急激な伸びを示しており、モバイルコンテンツも大きく伸びている。モバイルコマース市場では物販系コマースの書籍や化粧品を中心とした急増が、モバイルコンテンツはゲームを中心の経済波及効果が見込まれ、携帯電話加入者数は頭打ちとなりつつある中、今後モバイルコンテンツとモバイルコマース(モバイル上位レイヤ)が伸びていくことで、モバイル関連産業全体の経済波及効果が拡大するとみられている。

モバイル上位レイヤの経済波及効果の内訳

モバイル上位レイヤの経済波及効果の内訳


 経済波及効果とともに、雇用創出効果に関してもモバイル上位レイヤの伸びは大きく、2010年で2006年の4倍、33.2万人の雇用を生み出すと予測されている。モバイルコンテンツでは経済波及効果と同様、ゲームが中心と予測されるが、モバイルコマースにおける成長の中心は経済波及効果と異なり、労働集約的産業の食品・飲料と衣類・アクセサリーとされる。

 モバイルコンテンツの急成長を示す代表的なものとして、「モバゲータウン」のような無料ゲームサイトや、着メロ・着うたを中心とする音楽配信コンテンツなど、積極的にCMに進出し利用者数を伸ばし市民権を得たものが挙げられる。また「顔ちぇき」など、携帯の特性を最大限に活かした話題性の高いコンテンツも、今後の急成長を支えていくのではないだろうか?

 音楽配信にせよ、ネットショッピングやオークションにせよ、若年層を中心に固定のパソコンより手軽によりパーソナルに取り引きできるモバイルに主流が移りつつある。「楽天」や「ヤフー」などの大手もモバイル取引に力を注いでいること、「iD」決済機能の普及や「Suica」に代表される電子マネーの搭載で、携帯一つあれば生活のほとんどが可能な時代となっている今、その効果への期待は大きい。

情報通信のシンクタンク、ICR(http://www.icr.co.jp/)。詳細資料がダウンロードできる。

情報通信のシンクタンク、ICR(http://www.icr.co.jp/)。詳細資料がダウンロードできる。

( 福士由紀 )

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