
InfraStruXure InRowRPクーリングシステム
株式会社エーピーシー・ジャパンは5月29日、データセンターやサーバルームの冷却ソリューション、新開発の空冷式(直膨式)「InfraStru Xure InRow RP DX」と水冷式高発熱対応モデル「InfraStruXure(以下ISX)InRow RP CW」の発売を発表すると共に、欧州における三相UPSメーカーの最大手、MGEに統合され、2月から新たな組織としてスタートしたと発表した。
携帯電話をシンクライアント端末とするサービスが開始されるなど、大規模なインフラの整備が必要となってきた昨今、その屋台骨を支えるコンピュータルームの冷却、および電源のバックアップシステムを提供するのが同社の主な活動となる。
産業用制御ソリューションプロバイダとして40年の実績があるMGEと、IT分野で25年間、革新的なソリューションを提供してきたAPCの統合により、世界百ヶ国に拠点を構え、市場規模が1兆5600億円から2兆1600億円に拡大した。今回の統合により、海外ではAPC&MGEの名称で活動を開始。日本法人は名称変更せず従来のエーピーシー・ジャパン(以下APCジャパン)として営業する。
記者会見時の資料によると、同社が提供するソリューションは日本IBMのデータセンター構築ソリューションに採用されている。新たにデータセンターを開設する際、従来の方法では、電源供給量や必要な空調能力、将来の拡張性などの見積もりが不適切なため、初期投資が過剰になる不具合が発生していた。IBMが提供するソリューションでは、データセンターの設計部分にIBMが持つ温熱環境の熱解析コンピュータ・シミュレーションツールを活用し、サーバ・ラックの配置を最適化する。つまり、空気の流れや熱だまりを制御することで空調使用量を抑えることが可能となる。
この設備インフラ部分にAPC社のソリューションISXが採用されている。IBMの資料によると、最適な配置を設計する技術とラックに最適化された設備を組み合わせて提供することで、最大で約30%の電力が削減できるとしており、導入期間も従来の三分の一に短縮できるという。延べ270万平方㍍のデータセンターを建設してきた巨人、IBMも同社のソリューションを認めている訳だ。

APCジャパン内藤眞社長
APCジャパンの内藤眞社長は「今回発表したISXの販売価格はそれぞれ330万円から400万円。年内までの半年で30台の販売を目標としています」と語る。しかしながら、この数字はAPCジャパン独自の販売によるもので、同社広報の片倉氏によると「IBM様など、他社による販売台数は含まれておりません」とのこと。さらに、他のコンピュータメーカーとの提携を取材したが、明確な答えは得られなかったものの、否定はされなかったことを付け加えておく。
大規模サーバシステムの増加によって、APCジャパンのソリューションが日本市場に根付くのに、多くの時間は必要なさそうだ。
(
櫻井弘次
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