ウェブ地図の実験サイト「アルプスラボ」

2008年02月05日(火)

[ 70 号]

 アルプス社は一般のインターネットユーザーを対象に、ウェブ上の地図を活用した新たな技術やサービス、仕組みを提案する「アルプスラボ」を展開している。βプロジェクトとしてさまざまなコンテンツを提供、ユーザーからのフィードバックを随時反映する。BtoBでも、読売新聞の協力によって、箱根駅伝や世界陸上2007のコースマップが実現しているように、今後も興味深いコラボレーションが生まれそうだ。

 「位置付けとしては、あくまで実験サイトなので、長期的な計画がある訳ではない。そのため、常にアイデア勝負、突発的に斬新なものが始まると考えてほしい。PVはシーズンや新サービス投入の有無に左右されるが、月2500万程度。12月に立て続けに発表したため、年明けはちょっと一休みになるかもしれない(笑)」(同社担当・平田氏)

http://www.alpslab.jp/ 「時代に沿った人が集まる仕組みを随時探っていきたい」と担当の平田氏

http://www.alpslab.jp/ 「時代に沿った人が集まる仕組みを随時探っていきたい」と担当の平田氏


 1月31日現在、アップされているコンテンツは、基盤となる『アルプスラボベース』を含め18。興味深いところをピックアップすると、「同ビデオ」は、地図上でルート再生しながら、そのルートを実際に移動する様子を映したビデオを再生する。例えば、鉄道の路線風景やロープウェイからの動画を見ながら、移動ルートを地図上で確認するといったコンテンツを作成できる趣向だ。一方「同エージェント」では、「ヤフーメッセンジャー」から地図検索が可能。施設名や住所を書いたメッセージを送ると、周辺地図のURLを返信される。また、出発地と目的地を指定すると、ルートを表示した地図のURLを受け取ることができ、そのPDFファイルを印刷すると、縮尺の違う3種類の周辺地図が書かれた持ち運びに便利な8ページの地図帳を作ることができる。今後は、メッセンジャーから特定の場所の天気情報や交通情報などが検索できる機能を追加するとのことだ。

 操作方法で秀逸なのは「同スクロール」だろう。「次世代の地図スクロール実験」と題されたここでは、「Hammer」「UFO」「JET」「DEMODORI」など、8種類のまったく新しい地図操作が提示されている。いずれもネーミングは奇抜だが、必然性・利便性のあるものばかり。普通のフリースクロールに飽きた人は試してみるとよいかもしれない。このほか、地図上の二カ所をクリックすると、両地点を結ぶ道に沿ったルート地図を作成する「同略地図」、全国の地下街に特化した「同地下街」といった定番から、萌え風あり、鉛筆書き風ありの「同デザイン」、写真とその撮影地点をスライド風に見せる「同スライド」など、とにかく盛りだくさんの内容となっている。

昨年12月に公開された「ALPSLAB 略地図」では、道に沿ってルート地図を作成

昨年12月に公開された「ALPSLAB 略地図」では、道に沿ってルート地図を作成


 「今後の展開はいくつか考えられる。ひとつはiPod touchなどハード面への対応だろう。現在、『同ヒア(Here)』ではGPS機能を使った地域情報のメールサービスを行っているが、ポータブル端末と地図の親和性の高さを考えると、力を入れて行くことになるだろう。あと考えられるのは3Dだが、こちらは表現するスペックが難しいのが現状。社内的な意見も、市場に出回っているPC上でスムーズに動かせるものは案外難しいという声が多い。なお(グーグルのような)地図コンテストの予定は今のところない」(同)

 補足しておくと、同社は現在、ヤフーの100%子会社となっている。アルプスラボのアイデアが、おなじみの地図情報のみならず、ブログほか、各種コンテンツとさらに連携を深めていくことは間違いなく、今後の新サービス投入にも注目だ。
( 板垣威史 )

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