《花王・本間氏》 「Web作成は工場生産と同じ」

2008年07月23日(水)

[ 92 号]

本間充氏 プロフィール:1992年花王入社。研究所勤務ではUNIXマシーンやクレイを使って数値シミュレーションを行う。社内で最初のWebサーバーを立ち上げた後、本格的にWeb業務に取り組み、Web専業部門を設立。現在は、花王Webの技術リーダーを務め、新しいWebコミュニケーションの検討・提案や海外展開も担当

本間充氏 プロフィール:1992年花王入社。研究所勤務ではUNIXマシーンやクレイを使って数値シミュレーションを行う。社内で最初のWebサーバーを立ち上げた後、本格的にWeb業務に取り組み、Web専業部門を設立。現在は、花王Webの技術リーダーを務め、新しいWebコミュニケーションの検討・提案や海外展開も担当


自動化できる部分とできないところを整理する

 演題の『トランスコスモスとともにつくる花王Webのおもてなし』の「ともに」についてだが、「ともにしなければいけないこと」と「ともにしてはいけないこと」がある。我々の工場でも同じだ。洗剤の「アタック」は粉で、中に何が入っていて、パッケージはこんなデザインだ―ということは消費者に示すことができるが、「なぜ、そうなのか?」というとこは示されていない。「アタックはこういう風にしよう」ということを誰かが決めているわけだ。

 Webサイトも同じだ。以前は作成に携わるメンバーが一堂に集まって、「こういうサイトを作ろう」ということで仕事の締め切りと分担を決めていた。

 しかし、現在では、製品カタログのページだけでも8000ページ以上になる。メンバーが一堂に集まってすべてを決めることは難しい。「製品カタログはこういうポリシーでつくろう」と決め、トランスコスモスさんに「どういうデータの形で渡せばいいのか」ということを決める。

 つまり、自動化できるところと自動化できないところを整理する必要がある。自動化を標準化と置き換えても良い。

 最終目的は花王のWebサイトをつくることが花王の最終利益にどれだけ貢献するかだが、これは外部の人が考えることができない。社内で考えるべきことと、社外に依頼した方がよいことがある。

 とくに社内で解決すべきことは社内の政治的な力関係が影響するので、これは早めに勇気をもっと当たるべきだ。

R・P・D・C・Aサイクルでのテーマを明確に

 Webサイトの作成でもR(リサーチ)P(プラン)D(ドゥ)C(チェック)A(アクション)のそれぞれのステージにおけるテーマを明確にするべきだ。

 お客様はどんなサービスを求めていて競合会社はそれにどのように応えているか、最初にリサーチすることが肝要である。

 一番重要なのはWebサイトにはお客様は常に新しい手法を求めているので、我々はそれに対応してメンテナンスし続けなければならないことだ。持続的に運営できるかは政策で考えて行かなければならない。

 また、Webを公開した後は必ず「サイトカタリスト」などのツールを使用してサイト分析を行っている。その理由は最初のRと、Pの段階で考えていたことと異なることが実際には必ず起きてくる。そこを直す必要があるから、日々、継続的に原則に則って変更を加えている。

 Webサイトはひとつの作品でもあるが、生産工程でもあるので、携わる全メンバーの「体系性」の良し悪しが非常に重要だ。工場で言えばどこかの工程がポカをすればその製品は捨てなければならない。Webの作成も同じで、すべてのメンバーが同じ「想い」で、同じ関係性の下に動かないとお客様はその弱点を見抜くことになる。パートナーの能力も非常に大切だ。
( 文:丸山隆平、写真:藤村徹 )


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