好調アップル、今期第3四半期業績は過去最高に。iPhoneフィーバーは続くか?

2008年07月29日(火)

[ 93 号]

 7月22日、アップルの今期第3四半期の業績発表が行われた。純利益11億ドル弱と過去最高の業績を記録するなど好調だ。しかもこの業績は4月~6月期で、2.0を目の前にして各地で初代iPhoneが売り切れていた時期であり、実際の業績の中では、Macの販売台数が前年同期に比べて41%の増加とめざましい。第2四半期の出荷台数では、米国のPC販売数ではデル、HPに次ぐ第3位に着けたという。発表会では「近々利益率が低下する可能性がある」と予告されたようだが、これもどうやら新機種の導入が予定されているからのようで、MacBookシリーズなどポータブルのモデルチェンジではないかと言われている。

 次の四半期にはこれにiPhone2.0が加わる。発売から3日で100万台を販売し、来月8月22日にはさらに20カ国での販売開始が予定されるなど、アップルの見通しは明るい。今回の業績発表で不安視されたのはスティーブ・ジョブズCEOの体調だ。WWDCのキーノートで体調を崩し、痩せて見えたジョブズがいなくなったら、と心配する声は少なくない。すべての製品に対してその影響力を発揮するジョブズこそがアップルの魂と言えるからだろう。次の新製品発表に姿を見せるそのときは、果たしてどんな風に見えるだろうか。

 iPhone2.0が発売されてから半月余りが経過し、いろいろな動きがあった。

 まずiPhone2.0のプロテクトを解除するJailBreakツール、「Pwnage Tool」が登場した。7月23日現在、iPhone2.0のSIMロック解除はできていないが、App Storeを使わない、いわゆる「勝手アプリ」のインストールは可能だ。アップルが提供してくれないであろうグレーゾーンに属するツールをインストールしたい人たちの間に広まっている。例えばiPhoneを無線モデム化して、PCからの通信を可能にしたりするソフトウェアが登場している。これらの行為はアップルの保証が受けられなくなるので注意が必要だ。

早くも登場したJailbreakソフト、Pwnage2.0.1。初代はSIMロックの解除も可能だ

早くも登場したJailbreakソフト、Pwnage2.0.1。初代はSIMロックの解除も可能だ


最初の週の売り上げは携帯全体の4割に

 日本国内では、最初の週のiPhoneの売り上げは携帯全体の4割を占めたという。19日にはソフトバンク各店に再入荷もあったようだが、すでに売り切れの声も聞く。一方、地方都市では普通に手に入れられるという情報もあり、地域による温度差も感じられる。

 やはり「使いにくい」という声も聞かれる。日本の多くのサービスに対応しないこと、メールの扱いさえ違うことなどが原因だが、それに追い打ちをかけてiPhoneへの情報のプッシュサービスを行うMobileMeサービスが停止したり、ソフトバンクのMySoft Bankの対応が遅いなど不手際も目立つ。アップルはサービス不調に対して30日間の無料延長を行ったりもしている。立ち上げ時に大きなトラブルがあると、それが製品の価値を決めてしまうのはよくあることであり、両社とも早期の問題解決が望まれるところだ。

MobileMeは年間9,800円の有料サービス。iPhone活用の鍵であり、1日も早い安定が望まれる

MobileMeは年間9,800円の有料サービス。iPhone活用の鍵であり、1日も早い安定が望まれる


 iPhoneフィーバーは続くのだろうか。他の国はともかく、日本では難しいかもしれない。それは使いにくいからではなく、今までのケータイ文化とあまりにも違う端末だからという点においてだ。一般ユーザーに広まらない端末は、大ヒット商品となることは難しいだろう。外観の派手さではなく、内容をちゃんと伝えるという方向へ転換するべきだ。
( 矢橋司 )

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