《Web偉人伝》 02 ダン・セダーホルム、魅力的かつ機能的なデザインを実現

2008年09月02日(火)

[ 97 号]

 私たちが快適に利用しているウェブサイトも、構築する人たちの日々の努力があって実現している。現在、当たり前に使われている技術も、それをサポートし広めた人は国内外数多く存在する。本連載では、そうしたウェブの世界の偉人たちを紹介していく。

 特定のデバイスやソフトウェアに依存せず、いつでも何処でもウェブ上にある情報へアクセスするための技術は幾つもある。そして、それらを利用した優れたウェブサイトも少なくない。道具としてのウェブは年々洗練されてきているとはいえ、人はビジュアルで物事を判断する場合が多い。つまり、どんなに素晴らしいサービスやコンテンツであったとしても、見た目が良くなければ利用してもらえない可能性がある。ウェブサイト制作において「ウェブらしさ」「使いやすさ」「見た目」という3つのバランスは重要な課題のひとつだ。

 従来は装飾を凝る一方で、使いづらくウェブという媒体を考慮していないサイトが多かったが、現在は逆に技術に注目するあまり、見た目が犠牲になるケースが出始めている。この3つの要素を高い水準に保つと同時にバランスを崩さないサイトデザインを提案し続けているのがダン・セダーホルム(Dan Cederholm)氏である。

サイトデザインの仕事だけでなく、講演や執筆も行っているダン・セダーホルム氏

サイトデザインの仕事だけでなく、講演や執筆も行っているダン・セダーホルム氏


 ボストン在住のセダーホルム氏は魅力的な見た目のデザインであると同時に読みやすく扱いやすいサイト制作を行っている。彼は、レイアウトをはじめとした見た目のデザインだけでなく、HTMLやCSSといったウェブ上にある情報を分かりやすく記述し装飾するための仕様も熟知している。つまり、ウェブの情報がどのように構成され、どのように利用者に届けられているのかを理解した上でデザインをしている。

 例えば、従来すべてFlashで作られていたMTVのウェブサイトを、表示速度が早くて使いやすいサイトにリニューアルしたのも彼である。他にもスポーツチャンネルESPNやビジネス誌Fast Companyといった、情報が多いサイトを整理し魅力的なサイトに変えたのも彼の仕事だ。また、「Bulletproof Web Design (防弾付きウェブデザイン)」という言葉を編み出したのもセダーホルム氏だ。紙媒体と異なり、ウェブではすべての環境でまったく同じようにサイトを見せることを保証することができない。利用するパソコン環境やソフトウェアが違うだけでなく、設定の仕方も無数に存在するので、状況をすべて予測して制作するのは不可能だ。すべての状態でまったく同じ見た目にすることを利用者に強要するのではなく、それぞれの状態に応じて柔軟に対応できるようにするというのが防弾付きウェブデザインの基本コンセプトだ。状況に応じて見た目が変わる場合があっても、情報を明確に伝えるためのノウハウを、自身のサイトや書籍で紹介している。こうした考え方が出来るのもウェブの特性を理解しているデザイナーならではだ。

キーワード
#001 http://dowebsitesneedtolookexactlythesameineverybrowser.com/ … 「Webサイトはすべてのブラウザでまったく同じように見えていなくてはいけないのか?」というメッセージがそのままURLになっている氏のサイト

#002 Mountaintop Corners … 文字の大きさや長さに関係なくタブ型のナビゲーションを実装するためのテクニック。氏が考案し、現在、Google AdSenseにも確認できる。


世界最高峰のカンファレンス、アジアでは東京で初開催! 『web directions east』

【開催情報】 11月7日 カンファレンス(会場:ベルサール西新宿)
11月8・9日 ワークショップ(会場:ベルサール飯田橋)
【公式サイト】 http://east08.webdirections.org/
【お問い合せ先】 WDE事務局 info@wde.jp
( 長谷川恭久 )

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